9月議会で「大垣市の小中学校トイレに生理用品の設置を求める請願」は、日本共産党・市民ネットワーク以外の反対で不採択となりました。
ジェンダー平等という視点からも、学校生活を安心して過ごせるように配慮するという取り組みを求める請願が、市民に寄り添う議会として採択に至らなかったことは、本当に残念な思いです。
最終日に行った、教育福祉委員会での「大垣市の小中学校トイレに生理用品の設置を求める請願」不採択に対する反対討論の趣旨を掲載いたします。
(趣旨)
「大垣市の小中学校トイレに生理用品の設置を求める請願」については、先日の教育福祉委員会にて不採択となりましたが、この請願は、単に家庭の経済的状況ということにとどまらず、トイレで生理用品を持っていなくて困ってしまっているすべての生徒、そして、そうした経験をしたことのある女性のための請願です。そして、こうした女性の代弁として、この請願の不採択に対しして反対討論いたします。この請願の趣旨をよく踏まえて、ぜひ想像力を働かせていただければ幸いです。
この請願は、
1 第一義的には貧困という経済状況、あるいは父子家庭等の家庭環境によって、生理用品が十分に準備できない生徒たちのためのものです。そしてもちろん、生理用品の設置だけで貧困・格差の問題を解決しようとしている請願ではありませんし、保健室や相談体制の充実を否定したものではまったくありません。
2 次に、この請願は、生理周期が不安定な学齢期の子どもたちの不安の軽減にも貢献することができる内容のものです。生理は突然やってきます。例えば、趣旨にある「生理用品を学校に持ってきておらず、保健室でも受け取ることができず」というのは、短い休憩時間に、トイレに行って生理であることに気づき、急いで長い廊下を歩いて保健室に行く場面において、そこでも大勢の男子生徒や他の女子生徒がいたりしてうけとれないということです。また、やっとの思いで生理用品をうけとれたとしても、再び、いそいで長い廊下や階段をあるいてトイレに行き、手当てをし、そして教室にもどらなければなりません。あるいは特別教室に移動する際には、間に合わず大変な経験をしている女子生徒も少なくありません。そうした女子生徒の思いに寄り添った請願でもあります。
この請願は、単に、生理用品を渡して貧困問題に対応するだけの趣旨ではないことを想像する必要があります。また、長い間、この「生理」の問題がタブー視されてきたことで表面化してこなかった女性が抱える問題でもあります。
「学校トイレに生理用品を」という取り組みを最初におこなったといわれる愛知県東郷町の町長は、テレビ取材でこうおっしゃっています。生理にまつわる苦しみを「男性の皆さんにも広く知っていただくこと、これが女性支援の第一歩になるのかなと思っています」「子どもたちには安心して大切に使ってもらえれば、それで十分嬉しいと思います」と。男性でありながら、女性への、子どもたちへの想像力、配慮に富んだなんてすばらしい言葉だろうと思わずにはいられませんでした。
3 今回の請願は、設置トイレや設置方法については、各学校で検討するようにと請願されています。学校ごとの事情に合った方法で、生徒たちを支援することを請願項目にしています。すべての生徒が安心して学校生活を送ることができる、そのきっかけとして提案されたものです。
こうした理由から、
再度よくご検討いただき、議員のみなさんお一人お一人の良心にしたがって、採決に臨んでいただきたいと強く要望し、反対討論にしたいと思います。