建設産業委員会の視察報告 ~栃木市の空き家対策~

ご報告が遅くなりましたが、10月3日~5日まで、建設産業委員会の県外視察に行ってきました。

コロナ禍で中止されていたために久しぶりの県外視察となりました。行先と内容は、福島県福島市で「道の駅ふくしま」、栃木県栃木市で「空き家対策施策」、静岡県熱海市で「観光産業施策」です。

大垣市と立地や人口、産業や歴史などの比較をしながら、これから大垣市でいかに活用できるのかということについて考えます。

多くのことを勉強させていただきましたが、今回は、とくに大垣市でもっと活発にできるといいと感じた栃木市の「空き家対策施策」について報告します。

まず、栃木市役所は百貨店が撤退後、改修が行われ、現在では東武百貨店の2階以上に入居しています。新庁舎建設ブームですが、税金を節約しながら街を活性化させていくためには、こうした方法もあったかもしれません。

栃木市は、人口15万7000人 面積は、331㎢ 可住地面積は247㎢の町です。老年人口比率は31%、後期高齢者比率は15%です。人口増減率(3年前比)は、△2.7%。東京まで普通電車では約2時間。特急では約1時間かかります。

大垣市は、人口15万9000人 なので、大垣市とほぼ同じ人口規模です。面積は、大垣市が206㎢ 可住地面積は97㎢ですので、大垣市の1.5倍の面積であり、可住地面積も広いことがわかります。大垣市は人口増減率が△1.0%ですので、栃木市よりは歯止めがかかっていると言えます。名古屋まで普通電車で30分の大垣市の立地の強みではありそうです。

では、なぜ栃木市に視察なのか?

それは栃木市が、平成27年度の空き家実態調査数2007戸だったのが、令和2年度には1740戸数に。つまり、5年間で267戸減少させていること、「住みたい田舎ベストランキング」(宝島社)でシニア世代部門や若者世代部門で1位や2位といった上位を占めていることなど、人口減少が激しい地域であるものの、空き家対策施策では成功している地域だからです。

大垣市は、2年遅れて空き家対策に乗り出しましたが、平成29年度の空家数2304戸だったのが、令和4年度には2422戸。5年間での空家数は118戸と増えています。コロナ禍で宣伝が難しかった時期ともいえますし反対にコロナ禍だからこそ移住促進を行えた時期でもあったといえます。いずれにしても、空き家対策を行った5年間の成果としては、栃木市との差は歴然としているといえます。

写真は、栃木市がリフォームを行い、移住イメージを作ってもらうモデル住宅で1日1名2000円で利用でき、大人気だそうです。

栃木市で行っていたこと その➀

空き家対策ではまず補助金。老朽化が進行した空き家の➀解体費補助(1/2)最大50万円。まだまだ利用できる家に②リフォーム補助(1/2)最大50万円③家財処分(1/2)最大10万円。実績は、➀が69件②が20件③が20件だそうです。

大垣市でも、➀解体費補助(1/3)最大40万円②リフォーム補助(1/3)最大30万円。実績は➀が51件②が17件です。③の家財処分補助金は、(1/2)最大10万円。令和5年度からの実施です。

補助率、利用実績ともに、栃木市が高いものになっています。また、大垣市では、家財処分補助は今年度から始まりました。空き家対策の入り口として、効果を発揮することが期待されます。

栃木市で行っていたこと その②

大垣市は、不動産事業者との協定を結んでいるものの、民間との住み分けとして、民間業者が扱う物件は取り扱わないという協定書になっているということです。

一方、栃木市では、宅建協会と金融機関との連携を積極的に行い(金融機関4行20店舗)、市の行う空き家バンク登録をしてもらうことで、信頼がある協力業者の仲介に入ってもらえ、成約率も高くなるという好循環が作られているということでした。

大垣市では、5年間通年での登録件数が48件、制約数が24件であるのに対し、栃木市での登録件数は一年間で100件前後、成約数は80件前後と絶大です。

市の大きな課題に対しては、市が積極的に民間事業者と協力してなんとしても成果を出すという取り組みの姿勢を感じました。

栃木市で行っていたこと その③

人口や面積などの基礎データを見て頂いて分かる通り、栃木市は、1市5町が合併していることから、人口当たりの可住地面積が広く小さな部落と農地が広がっています。つまり市街化調整地(古い家を壊すと新しい家が立てにくい土地)が広いため、そこにある空き家が売れにくい問題にも積極的に取り組んでいました。つまり、市街化調整地には「空き家」の周りに畑があるのですが、畑地の所有権を移住者が取得するのは困難であるところ、この規制を柔軟に農業委員会で取り扱い、農地付き物件として売り出しているということでした。

大垣市でも、農業委員会が積極的に取り組む方法も併せていくことも参考になります。

栃木市で行っていたこと その④ 

高齢者と一緒に、人生の「就活」とともに、空き家の「終活」をともに考える講座を市が行っていること。また、所有者のニーズに合わせて空き家物件の管理を行うNPOと市が協定を結び、高齢者や相続をする方々に適切な管理を促していること。市が、古い民家を2軒リフォームして、市民や市外からの移住定住の方に、空き家活用のイメージの手助けをしていることなども面白い取り組みだと感じました。  

 市民の皆さんの税金を利用させていただいての議員研修です。今後の大垣市の政策づくりに生かしていきたいと思います。

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